ホリスティック栄養学が「人の側から考える」ということは、「個体差」を重視するということでもあります。
私たちは自分の親からそれぞれ異なった遺伝子を受け継いでいます。その遺伝子にインプットされた情報をもとに、細胞内では各種タンパク質が四六時中つくられています。親譲りの遺伝情報は一人一人違うので、つくりだされるタンパク質は個体の違いを生みだします。
十人十色、体の違いがあるにもかかわらず、誰もが同じように政府が定めた「摂取基準量」を守ってさえいれば健康になれると考えるのは、無理があります。実際、水溶性のビタミンの必要量は、人によって100倍もの差があるといわれます。つまり、ビタミンCの1日の摂取基準100mgで健康を維持できる人もいれば、10g摂らなければ健康が維持できない人もいるということです。
人は誰でも遺伝的に何らかの弱点を抱えており、その弱点をカバーするためには適切な栄養摂取が必要になります。最近では、基本的な体質を遺伝子で確認できるので、その人の遺伝的弱点を知り、食生活をどのように改善していくべきか、どのような栄養素を多くとるべきかなど、より正確に、個人個人にあった栄養指導を受けることが可能になっています。
アーユルヴェーダや中医学では、経験の蓄積による英知によって巧妙に体質を分類し、それぞれにあった食事指導やハーブ類、漢方薬の処方などがおこなわれます。ホリスティック栄養学でも同様に、体質をいくつかのタイプに分け、それぞれのタイプにあった食事法を含めたライフスタイルの提案をしていくこともあります。
こうしたボディタイピング法などをうまく活用しながら、一人一人にあった方法で、オプティマル・ヘルスを目指します。
- 食品の側からではなく、人の側から、その人丸ごと(身体/マインド/魂)考える
- 個体差を重視する
- オプティマル(最上の)ヘルスを目指す
- 栄養素のつまった食物をベースに
- 消化吸収を重視する
- 必要に応じて、良質サプリメントで補助